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サイパン運用の記録(1999年11月)




無線機を作ってサイパンに行った!



川崎市でキャッチされた私の声7M4GLU榛沢OM受信・提供


サイパン行きの決断

1990年代の終わり頃、サイクル23のピークを迎えるに当たって、自作AM機でオーバーシーと交信したいということが 自分の大きな望みになりました。自分は直接には知りませんがサイクル19のときの50MHzの出来事を少年時代から何回も聞いていたからです。 もちろん、当時は機械は自作がほとんどで、モードはAMだったでしょう。そんな機械によって地球の裏側と交信した劇的な 記録には深く印象付けられていました。
そしてそれは、真空管がトランジスタに置き換わったものの、自分の今住んでいる世界とあまりにもよく似ているように思えました。 また、サイクル19の再来ともいえるサイクル21や22をハムとして逃していたことも、大きな動機でありました。

しかしながら、自分には50メガのAMでDXと交信できるだけのリグを組み立てる技術はまだなかったのです。 周波数の可変、ハイパワーのアンプ、そしてアンテナ。自分にはまだ手が届かないものばかりでした。
一方、短波帯に目を向ければ、別ページで紹介しているように、18MHzで世界に電波を飛ばし、自由に交信するだけの 送信機は完成していました。私は50MHz帯にはこだわらず、18MHzでAMの電波を送信できる送信機を作ることにしました。

しかし、50MHzならともかく18MHzでAMの電波を出し、海外の局が応答してくれる保障はありません。
そこで、私は自分が海外へ行ってAMを運用することを思いつきました。DXぺディションです。
目的地はサイパンにしました。サイパンは日本に近すぎず遠すぎず、自分が海外局となって多くのJA局を相手にできるのではないか。
忘れてはならないのは、この頃アメリカで法改正があって、外国でアマチュア無線の免許を持っているものは、その免許と アメリカのアマチュア無線関係法の範囲内で申請なく運用ができるようになったことです。
また、ある親切な人に、サイパンのホテルで、屋上にアンテナを張れるところを教えてもらいました。
サイパン行きは1999年11月23日の勤労感謝の日をはさんだ3日間にしました。この頃旅行代金は休日と言えど安く、 しかも秋のまだDXコンディションで良好な空中状態が望めると考えたからです。
日本の休日以外は多くの交信は望めないと考えたので、旅程は二泊三日にしました。旅行会社はしぶちんな客だと思ったろうな。

準備は9月頃から始めました。旅行会社への申し込み、パスポートの申請、スーツケースの購入、そしてリグの製作です。


リグを作る

送信機の構成はすでに紹介したQP−21の改造機と基本的には同じです。低周波アンプとトランスにより、終段にコレクタ変調を かけAM変調波を出せるようになっています。励振段のキーイングもつけて、CWも使えるようにしました。出力は1ワットです。
受信機はFRG−100を持っていくつもりでした。しかし、ためしに18MHz帯の受信機を作ったところ、意外とよく働くので、 相当迷いましたが、それを持っていくことにしました。FCZ研究所の50MHz−AMスポット受信機を18MHz用にしたものです。
オール自作でペディションを試みて失敗したならそれもいいじゃないかと思いました。現代ではまだ誰もやっていないことですから。
自作とはいっても、送受ともキットのアレンジですが、バラキットを作ったものですから自作度は高いと思います。
受信機は中間周波455kHzのシングルスーパーヘテロダインですが、局部発振はVXOを使い安定度は良好。
BFOもつけてCWの受信もできるようにしました。
大げさなようですが、私はこれらの送受信機を作っているとき、人工衛星でも組み立てているようなエキサイティングな気持ちになりました。
なお、送信機・受信機とも電源は乾電池・・・単三×8本でした。


18メガヘルツ帯CW/AM1ワット送信機

ブロック・ダイヤグラムを示します。






18メガヘルツ帯CW/AM受信機

ずいぶん、ケースに余裕がありますが、送信機と同じ大きさの箱に組み込みました。”UTC−18ライン”です。右上が受信機本体。右下が局部発振回路(VXO)、中央はBFO、左下はスピーカーを鳴らす 低周波増幅回路、その上は、12ボルトを3ボルトに落として受信機の電源を作る回路です。スピーカーは上蓋裏側に取り付けてあります。 受信機はスピーカーを内蔵していると非常に便利です。


ブロック・ダイヤグラムを示します






製作中





サイパンにて


サイパンでの交信記録


サイパンのホテルは10階建てでした。私はその最上階に部屋を割り当ててもらい、 到着した22日の夕方にはホテルの人に頼んで屋上に半波長ダイポールアンテナを張りました。
アンテナは真正面に日本方向を向いています。地上高は30メートルはあったでしょう。 ケーブルを部屋に引き込んで早速17mbをワッチするといやはやすごい状態です。 混信?混変調?通り抜け?英語、中国語、アラビア音楽、ファクシミリ音がダイヤルを どこに回しても聞こえます。
しかし、それに混じってアマチュア無線局の信号も入感しています。やや無謀だったかも 知れませんが、私は自作の受信機を選んだことを後悔はしませんでした (翌日はもっとひどい状態になったが)。
私は受信機の隣に送信機を設置し、リモートケーブルで結び、電鍵を差込み、ログノートを 開くと、静かな周波数を選んでまずCWでCQを出しました。

その結果を表で示しましょう。

1999年 11月 UTC 局名 周波数 形式 QTH 備考
22 0730 JM1XIT 18.095 CW 東京都品川区
22 0747 JF1CCH/M 18.095 CW 千葉県印旛郡
22 0830 JH1WBG 18.155 AM AMで唯一の交信。59/55
22 1036 JG2LGM 18.095 CW homemade
22 1048 DL3ZI 18.095 CW FRED/nrKASSEL 599/559
22 1055 JQ1VDJ 18.095 CW 埼玉県秩父郡
22 1100 JA1ADN 18.095 CW 埼玉県川越市
22 1112 JA5ENO 18.095 CW
22 1120 JH0FWV 18.095 CW 新潟県新潟市
22 1130 JA7XBG 18.095 CW
22 1148 JA0DAI 18.095 CW 新潟県新潟市
22 1159 JG4EGZ 18.095 CW 加茂郡
22 1205 JH3EGJ 18.095 CW
22 1208 JA3KQG 18.095 CW
22 1209 JA6GT 18.095 CW
22 1212 JA3QFO 18.095 CW
22 2100 JA2PVE 18.095 CW
23 0818 JA7OVC 18.095 CW 秋田県秋田市
23 0916 JJ3HIY 18.095 CW
23 0933 JG3UVN 18.091 CW
23 0949 UE0JX 18.091 CW
23 1001 ZL1AMM 18.094 CW
23 1102 JA2ARN 18.094 CW nrNAGOYA


川崎市在住の7M4GLU榛沢さんは、いち早く私のAM信号をキャッチされて、JH1WBG局との交信の様子も 録音(録画)されていました。それによるとAM信号特有の大きなフェージングを伴いながらも、わずか1ワットとは 思えない明瞭度で入感していました。AM特有のやわらかい音質もよく再現されています。
(ページトップの録音ファイルを聞いてください)
榛沢さんによるとAM信号は夕方頃良好に入感しており、私は日本時間の21時過ぎにもAMでオンエアしたのですが その頃には微弱だったそうです。

一番期待できそうだった23日の日中に交信がないのは、島内にある短波放送局が放送17mbで稼動するらしく、 受信機が完全にブロックされてしまったからです。
仕方がないので、ホテルの周りを散歩してました。ホテルの庭で芝生にひっくり返って花の写真を撮っていたら、 周りのアベックがみんな引いていきました。
熱帯の見慣れない植物はエキゾチックでもありましたが、熱帯にも季節があるのか、枯れ葉も目に付きました。 一番きれいな天然の小さなビーチでは日本人のチームが若い女の子の撮影をしていました。誰だったのでしょう。
僕は、カラーポジフィルムなど、どこでも売っていると思っていたのですが、サイパンではデパート(といっても平屋 の、スーパーを大きくした程度)にも置いてなく、仕方なくホテルの売店でカラーネガフィルムを買って使いました。
サイパンは一言で言えば田舎ですね。時間さえあればのんびり散歩したいところですが、職のない?地元の若者たちが 穏やかならぬ目つきでたむろしているところもあって、そういうところでは、あまりいい気持ちはしませんでした。
ホテルの目の前は海でしたが、10階の窓から見ると珊瑚礁は人のしわざとしか思えない太い溝が縦横に走り、 「サンゴ汚したKY」どころではないなと思いました。

今思い出しましたが、サイパンの書店でアメリカの天文雑誌を見つけて買ってみたら、ちょうどアメリカの火星探査機が 火星に着陸すると言う頃で、火星では二酸化炭素の結晶が空中に浮遊して、双曲線の花が開いたようなこんな エキゾチックな日笠が見えるのではないかという記事がイラスト入りで載っており、これは数万本の光線を コンピュータの中で追跡して作ったと書いてあって、そのことが別ページ「天文・気象」で紹介している、 虹のシュミレーションを自分のコンピュータで作ってみたきっかけになっています。

島内で撮った写真や、往路、飛行機の窓から撮った写真などもあるのですが、転勤族ゆえ、すぐには出せないところに 整理してあるので、そのうち機会があったら紹介します。


QSLカード



KH0/JH0UTCに来たQSLカードをご紹介します。

準備中



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